2020-21AWコレクションレビュー
Yohji Yamamoto 2020-21AW Collection
2020年10月15日

YOHJI YAMAMOTO

FAS-GROUP各店のバイヤー独自の視点でお届けする、2020-21AW(秋冬)コレクションレビュー。

今回はYohji Yamamotoの2020-21AW(秋冬)コレクションの内容について、FASCINATEバイヤー、小林の所見をお届けします。

 


 

この秋冬からFASCINATEのチーフバイヤーを務める。 ヨウジヤマモトを含め、FASCINATEで取り扱うブランドのバイイングを担当。

 


 

「調和」ではなく「相反」 Yohji Yamamotoのパンク的美学を垣間見たコレクション

毎シーズン、テーマ性の強いコレクションを打ち出すYohji Yamamotoですが、20-21AWコレクションを見て僕がまず強い印象を受けたのは、国や文化の垣根を取り払った、ある種のパンク思想の影響を強く感じさせるスタイル。

昨年の秋冬コレクションに比べると全体的に色柄物が増え、得意とするヨーロッパのテーラースタイルをベースに民族柄に別の民族柄を重ねてプリントしたり、古今東西の様々な文化的要素を持つ柄や、民族的なディテールをごちゃ混ぜに組み合わせる事で「異文化で異文化を壊す」という国境や民族、文化といったあらゆる垣根を超えた要素を持った作品を、既存の概念を覆すようなスタイリングで着用していることが印象的でした。

僕自身、服以外のことに関してもなのですが、二面性のある物に強く惹かれる事が多いです。
洋服に関しては、東洋と西洋文化、それぞれが持つクラシックなど、相反するもの同士の組み合わせを表現した洋服が大好きで、例えば、FASCINATEで取り扱うZIGGY CHENやJAN-JAN VAN ESSCHEなんかをイメージしてもらえばわかりやすいと思います。

この二つのブランドは、西洋と東洋の民族的ディテールをいかに違和感なく組み合わせてフラットに見せるか、という思想のもとにデザインされているのに対し、今期のYohji Yamamotoは、ディテールはテーラーをベースとしながらも、本来組み合わせることのない民族柄を加え、さらにその上からプリントを塗り潰すように多文化のプリントが施されていました。

まさに自分が作り上げたものを壊すような感覚と言うのでしょうか、多重に重ねられたプリントは共存するのではなく潰し合い、荒々しささえ感じます。

ジャケットの上から着るためにデザインされたプルオーバーニットを使用したスタイルからも、そういう印象を受けました。

20SSシーズンには、とんでもなく大きく生地幅を取ったレインコートの上からTシャツを着たルック。

16-17AWにはダウンアウターの上からTシャツを着たルックなど、これまでも独創的で自由な発想のルックはたくさんありました。

もちろん実際にダウンの上からTシャツを着るか?と言われれば絶対に僕は着ませんが(笑)

ファッションに正解は無い、それぞれの思う通りに楽しもうというメッセージにも捉えられます。


柄の組み合わせだけじゃない。カラーパレットの変化にも注目!

ここ3~4シーズンのコレクションで多くみられた文字プリント物、特に日本語を使用したメッセージ製の強い作品はほとんど展開されておらず、チェック柄やペルシャ絨毯に用いられるようなエスニック調の柄、浮世絵に描かれているようなくずし字など様々な国の民族や文化的要素を感じさせる柄を重ね合わせている物が多く、アクセントカラーとして、アースカラー系の渋みのある色使いが強く印象に残りました。

ベースカラーは変わらずに”黒”を基調としていますが、今期はダーク系のカラーに偏りがちな秋冬には珍しく、アースカラーをベースにライトグレー、生成りなどのホワイトに近いカラーパレットが目立ち、カラーリングの気分が黒から徐々に移りつつあった僕は、アースカラーの多い民族柄やライトグレーを基調としたツイード生地から黒を基調としたYohjiなりのトレンドカラーの表現を読み取れました。

素材や生地、カラーパレットの全てに異文化要素の組み合わせが色濃く反映されていて、それぞれの柄が持つ文化的要素、それに付随した生地の表情や色使いはこれまでのYohji Yamamotoの印象とは違って新鮮で、そういう部分から滲み出る雰囲気がすごく好きだなと思いましたね。


個人的なお気に入りは”LOOK05”

今期の中で僕が好きなLOOKをあげるとすればLOOK05のスタイリング。

このLOOKはYohji Yamamotoのアイコン的生地であるウールギャバジンをベースにベージュ、グレーを基調とした淡めのチェック柄ツイードを左右非対称に切り替えたジャケットベージュにチェック柄ツイードをベースとしたラップパンツをセットアップ風に組み上げていて、これまでのYohji Yamamotoのエッセンスを残しつつも今期らしいカラーリングを取り入れたバランスの良いデザインでした。

柔らかい雰囲気を持つツイード生地は、渋みを持った人が着て初めて成立すると思っていましたが、ギャバジンとの切り替えや段差のあるアシンメトリーなレングス、異素材を重ねる事で面積を減らしつつ、同時に動きを出す事で若者にも取り入れやすい洋服へと昇華させていて、Yohji Yamamotoのデザインテクニックの高さを見せつけられました。

今期のトレンド性を含むカラーリング、素材使いなど20−21AWのシーズン性をしっかり汲み取りつつ、スタイリングやシーズンに合わせて変化をつけられるため、アイテムとしても長く着用できる良さも感じられますし、リバーシブル仕様で裏返せばギャバジンがメインのシックなジャケットへと変化するデザインにもやられましたね。


キーワードは「足し算」
ディテールの着脱で表情の変化を楽しめる作品が中心に。

そしてもう一つ、今回のコレクションを見て感じたのが、これまで以上にそれぞれの服のディテールが作り込んであり、服の構成要素に厚みや奥行きを感じた点です。

デザインというよりは構造的な奥行きといった方が正しいかもしれませんが、それをデザインとして服に加えている印象を受けました。

その点についてパリ展示会でいつも担当していただいている鳴海さんに話を聞くと、今回のコレクションを制作する過程に秘密がありました。

これはデザインや表現の点にも繋がっていく話ですが、20SS以前のコレクションは、デザイン画を基に洋服を作り上げていたそうですが、今シーズンはまず、デザインを加えていないベースの服を制作し、そこに様々なディテールを付け加えていくという「足し算」の要領で制作したとのこと。

アシンメトリーなデザインや複雑なディテールの作品は以前から数多く展開されてきましたが、基本的にはパーツやボタンを着脱してレングスが変わるものや、シルエットを変化させることに重点を置いたデザインが多く、どちらかというとギミックによって変化させることを楽しむ作品が中心でした。

しかし、今シーズンは一つのパーツを取り外しても、その下にまた違うディテールがあり、さらにそれを取り外すと最終的にシンプルなアイテムになる、といった具合に、ディテールが複数の層のような構造になっており、取り外していくにつれて原型となる形へと引き算されていく構造になっています。

素材や柄、カラーをベースに、そこにディテールを自由に付け加えていくことで多種多様な文化や思想の表現を補完、追加していてうまく調和のとれた作品に仕立てられていました。

僕が感じた作品の厚みや奥行きは、テーマを表現するためのマテリアルと制作手法の2つのベクトルを持って一つの作品を制作したその過程が一つの理由なのかな、と感じました。


「テキトーに着とけ」山本耀司の思想を思い出させるディテール。

この「足し算」で制作した代表的な作品は、雑誌や新聞紙が入るくらいの巨大な内ポケットが配されたコートや、クラフト感の強い腕章がついたテーラードジャケット、シングルトレンチの上からダブルのトレンチの前身頃を重ねたトレンチコート、これでもかというくらいファスナーとチェーンをたらしたシリーズなどが挙げられます。

その中でも雑誌が入る程巨大な内ポケットは、僕自身の洋服にまつわる過去の記憶を思い起こすディテールでもありました。

確か年齢は19くらいの時だったと思います。

僕は高校卒業後に専門学校に通っていたのですが、四六時中ファッションの事ばかり考えているのではないかと思うくらい服の事で頭がいっぱいでした。

その当時通っていたとあるショップにオーバーサイジングなロングチェスターコートが置かれていました。

その時は購入できなかったのですが、そのチェスターコートがとても魅力的に見えました。

そのコートの内側には巨大な内ポケットがつけられていて、不思議に思っているとスタッフの方が「それは新聞を入れるためのポケットだ」と教えてくれました。

実際使うか、と言われれば使わないディテールなのですが、ただ大きな内ポケットがある渋いチェスターコートを見た時に、なぜか一人の男性像のようなものが頭に浮かんだのを覚えています。

ヨーロッパの街並み、年齢は60代くらいの白髪混じり、気だるい雰囲気のその男性は、クタクタになった馴染みのコートを羽織り、カフェのテラス席でタバコを吹かせながら暖かいコーヒーを飲む。

男性がおもむろにコートを広げ、内ポケットから新聞を取り出す。

当時の僕は、今より頭の中が服の事でいっぱいでしたが、それほど知識があるわけでも無い。

でもその分デザインから感覚的に感じ取る物やストーリー、感動が強かった気がします。

この話は他のブランドの話ですが、その記憶を思い出した時、これはYohji Yamamotoと言うブランドが掲げる男性像に精通する物があるのではないか?とふと思いました。

ファッションはあくまでも女性のためのもの、男性の服は女性を引き立てる程度の物で、こだわりすぎず、適当に着てるくらいがちょうど良いと言う思想。

洋服は着用者のキャラクターを形作るピースの一つ。

年々デザインが変わり行く中で、Yohji Yamamotoと言うブランドの根底にあるイメージをもう一度思い起こさせるディテールであり、とても魅力的に感じられました。


皮肉と共に深い問いかけが見えてくる”タキシードパーク”

アイテム単体で印象に残ったのが「TUXEDO PARK」という文字と共に禁煙マークがプリントされたドクターコート。

ランウェイでも使用されていたアイテムですので、後ろ姿が印象的であった方も多いのではないでしょうか。

この「TUXEDO PARK」というのは、アメリカ、ニューヨーク州にあるタキシードの起源となるスモーキングジャケットが生まれた地であり、言わばタキシード由来の地。

1735年にタバコビジネスで財をなしたピエール・ロリラードが鉱山があった土地保有権を取得し、狩猟プレイスであるタキシード・パークを開設したことが起源とされており、後にタキシードの原型となったスモーキングジャケットは、この場所で本来タバコを吸う時のためにデザインされたジャケットです。

今の30代中頃から上の世代の方であれば、当時異端的で爆発的な人気を誇ったエディスリマン率いるDior Hommeでは名作とされるアイテムであったため、馴染み深いのではないでしょうか。

タキシードパークはタバコの存在があって成り立った場所であるにも関わらず、禁煙マークがプリントされているという相反するもの同士の組み合わせ。

しかも山本耀司氏はバリバリの愛煙家。

本質を知る者だけがわかるシャレの効いたデザインからは山本耀司氏の皮肉の聞いた遊び心が現れています。

タキシードジャケットという文化的様式が強く残る洋服が産まれるきっかけとなったタバコも、現代ではただ害があるものとして否定されていますが、「今はただ害とされ、否定されているタバコという文化が無ければ生まれなかった洋服もある。ただ悪とされるものを悪とするだけではなく、一度本質というものを考えてみるべきでは無いか」というメッセージに僕は解釈しました。


時代に合わせた変化が見られたシルエットと素材使い。

Yohji Yamamotoに限らず、20-21AWのパリファッションウィーク全体に言えることですが、先の内容でも書いた通り、どのブランドからもグレーなどの淡めの色味、アースカラーが展開されていて、私自身もアースカラー系のアイテムばかりを個人オーダーしてしまいました。

Yohji Yamamotoは期待を裏切らずやはり黒が主体なのですが、ツイード生地のシリーズやプリント柄に用いられるカラーパレットはアースカラーやグレー、ベージュなどの淡めの色味が見られ、ブランドイメージはキープしつつも、トレンドカラーはしっかり抑えた作品構成でした。

今回の秋冬コレクションもベースとなるのは、ワークやミリタリーといったディテールを含むYohji Yamamotoらしい「男らしさ」を遺憾なく表現した作品や、それに付随したディテールが目立っていましたが、それらをこれまでとは違う生地で制作するなど、素材使いの振り幅や組み合わせのバリエーションはこれまでのコレクションと比べても増えていました。

これまで秋冬シーズンの中心となっていた素材は、お馴染みのウールギャバジンや、フランネル、メルトンなどの黒のイメージを強調する、重くてのっぺりとした表情の生地をメインに使い、そこにプリントや刺繍が施されたアイテムを加えたラインナップが基本的な構成でした。

しかし今回のコレクションでは、大ぶりなチェック柄やネップ感の強いツイード生地など、生地自体に迫力のあるものをふんだんに使っていたり、表裏で生地を切り替えるなど、これまであまり見ることのなかった生地使いが目立ちました。

各所のディテールデザインは去年と大きく変更したところはなく、新鮮さという点においてはディテールから感じることは少なかったですが、パンツのレングスやシルエット、アウターの肩周りなどからはトレンド性を取り入れているのを感じました。

例えば去年までクロップド丈が多かったパンツのレングスはワンクッション入る程度のフルレングスの物が目立っていたり、ジャケットの肩幅はドロップショルダー気味に設定されていたこれまでのコレクションに比べると、少し狭くしてジャストの位置に設定されたように感じます。

元々反トレンド、反ファッションをブランドの精神として「Yohji Yamamoto」というスタイルを作ってきたブランドですので、表現やスタイルのスタンスを変えることなく、少なからず時代に合わせた変化を加えていました。

全体のシルエットとしては、変則的だった20SSコレクションのシルエットから変化がありました。

昨シーズンはいつもよりも狭く設定された肩、身幅周りから裾に向かうにつれてフレアシルエットに仕上げられていたシルエットが特徴の一つでしたが、肩周りのすっきり感は継続させて、そこから縦に落ちるように綺麗な縦のラインを描くシルエットに変更されていました。

20SSコレクションでは、シルエットが変則であるあまり過去のシーズンのアイテムとの組み合わせが難しくなってしまったと感じる事も多かったため、既存のアイテムと合わせることに関しては、より合わせやすくなっていますので、Yohji Yamamotoを長く買い続けている方にとっては好印象なのではないかと思います。


提案したいのはシーズンの特色を出しつつ、現実的に着用できるスタイル。

Yohji Yamamotoは弊社の取り扱うブランドの中でも最もプレタポルテブランドらしく、ランウェイのルックによってお客様のスタイリングの方向性を強く変化させるブランドです。

例えば19-20AWシーズンであれば、幅広いレイヤードスタイルを得意とする同ブランドには珍しく、男らしいアウタースタイルを軸としたシンプルな着こなしでこそ美しく見えるスタイルを、20SSシーズンでは、膝丈の短めショーツを取り入れた、ウエストから裾にかけてなだらかに広がるややフェミニンな曲線を取り入れたスタイルと、シーズンのトピックとなるスタイルを打ち出していました。

今シーズンはそういう意味では「メインになるルック」の判断が難しいコレクションでしたが、今季の特徴である足し算の服造りの要素が色濃く出たアイテムという意味で、レイヤードディテールデザインのアウターアイテムを中心にオーダーしました。

ただし、ツイード生地のオールインワン、コートなどのアイテムは、普段着として着用するにはあまりにも重く現実的でないと判断したため、ファブリックは定番のギャバジンでセレクトし、あくまでもディテール面のみで今シーズンらしさを味わえるアイテムを意識的にセレクトしています。


今季はレイヤードやリバーシブルディテールのアイテムがオススメ!

具体的な商品構成で言えば、今シーズンはB納期(シーズンが始まって2回目のデリバリーシーズンに当たる納期)で入荷する作品で、シーズンの特徴がよく現れた作品が数多く展開されているので、B納期だけで複数のルックが完成するように作品を多めにセレクトしました。

特にディテールの面でそれを感じていただける作品が多かったため、今シーズン僕が提案したいスタイリングもこの納期で入荷する作品をベースに組み立てています。

これをベースにランウェイで使われていたアイテムはシーズンの後半に展開される事が多いため、B納期でベースとなるスタイルを組み立てて、後から入荷するシーズン性の強い作品をメインに据える、もしくはスタイリングに味付けできるような構成でオーダーしています。

今シーズンのランウェイルックをベースにバイイングしたのは、個人的に好きなLOOKとして挙げていたLOOK5にて着用されているリバーシブルジャケットラップパンツのセットアップ。

左右でレングスや柄の異なるこのルックのジャケットは、裏風に仕立てられた表、表風に仕立てられた裏によりリバーシブル仕様。

Yohji Yamamotoではそれほど珍しくないリバーシブル仕様のウェアですが、柄入りのツイード生地を使用しつつもシワギャバとの切り替えが施されているため、これまで展開されてきたアイテムとも合わせてスタイリングしやすく、尚且つ今シーズンならではの雰囲気を味わえるアイテムではないかと思います。

また、D納期アイテムには他にもリバーシブル仕様のアイテムが多く展開されており、ランウェイでは使用されていなかったが、15AWシーズンに展開された3レイヤーの断ち切りデザインシリーズの復刻も展開されており、それに合わせて捻れたシューレースが特徴的なDr. Martenコラボレーションブーツも注目度が高いアイテムです。


足元は要注目のスニーカーで合わせてもらいたい。

今シーズンはスニーカーの出来が非常に良いシーズンだったので、ここ最近のシーズンの中でも多めにスニーカーをオーダーしました。

咋シーズンよりYohji Yamamoto Noirで展開されていた台湾の俳優・歌手であるヴァネス・ウーが手がけるブランド「X VESSEL」とのコラボレーションスニーカーに加えて、アディダスの名作スニーカー「Super Star」をベースとしたミドルカットスニーカーを2色展開でセレクトしています。

「XVESSEL」とのコラボレーションスニーカーは、分解したパーツを組み合わせたレイヤーソールは“脱構築”の要素を表現した作品で、どうしてもガバッとした大きめアウターに覆われてしまいがちなヨウジヤマモトのスタイルの足元を個性的かつ手軽に彩ることのできる一足です。

こちらはデザインのウエイトがソールに行くほど強く、ソール自体にデザイン性が強いアイテムですので、フルレングスパンツが気分な今シーズンにはピッタリなアイテムだと思います。

「Super Starのミドルカットモデル」厳密に言えばPro Modelをベースとしたアディダスコラボスニーカーは、これまでのコラボモデルの中でもあまり原型を弄っていないシンプルな形状で、パーフォレーション(通気口)がYohji Yamamotoのシグネチャーを象ったデザイン。

カラー展開は王道なスニーカー配色であるアッパーがブラックのホワイトソールとその逆配色であるアッパーがホワイトのブラックソールの2色展開です。

足首周りがタイトでソールにボリュームのあるスニーカーはどんなスタイル、パンツにも取り入れやすく足元のスタイリングに悩んだ方には是非取り入れていただきたい一足です。


最後に。

今シーズンのコレクションテーマをスタッフに伺ったところ「これまで発表してきた過去のシーズンと同様に一つに決めたものはなく、複数のテーマを組み合わせてコレクションを構成している」とのことでした。

足し算の要領で制作している今シーズンは、これまでとは違ったディテールや内部の作り込みが目立ち、新鮮な印象を受けたアイテムも多かったのですが、実際に街で着用する事を想定すると「ルックのスタイルをそのまま着用する」というのは重量感の面であまりで現実的ではないアイテムもあります。

そのため「今シーズンらしさ」を意識しつつ現実的に着用できるアイテム、尚且つ現実的な価格を意識したバランスの良いアイテムを選ぶのが正直すごく難しかったです。

シーズンテーマを強く打ち出すコンセプチュアルなブランドですが、哲学は一貫しているため提案するスタイルが劇的に変わるということがありませんが、逆にシーズンを重ねるたびに少しづつワードローブに加えていって「Yohji Yamamoto」というブランドを掘り下げていくことができるのも楽しみ方の一つ。

それはブレない姿勢で作り続けているからこそですし、それができる数少ないブランドだと思います。

Yohji Yamamotoは価格の面で少し敷居が高いブランドではありますが、そういった方に向けては、比較的価格が抑えられ、なおかつYohji Yamamotoらしさのある作品もオーダーに組み込んでいます。

ヨウジヤマモトがお好きな方の中にも、最新のコレクションに注目している方から、定番的な作品がお好きな方もいらっしゃいますので、絶えずお客様のニーズをヒアリングしたり、店頭接客で感じたことなど、複数の側面を踏まえて最新のコレクションの世界観を伝えつつ、以前のシーズンとの親和性、弊社で提案したいスタイリングを考慮しながら全体的な構成を組み立てています。

直営店舗が国内に多数存在するブランドなので、品揃えでは直営店舗に劣りますが、私たちはあくまでもセレクトショップなので、同シーズンに他のブランドを含め幅広い洋服を触れ、目にした情報を蓄積した上でバイイングを行いますので、一度FASCINATEというフィルターを通し、実際に着用する事が難しいアイテムでは無いか、ふるいにかけた上でセレクトしました。

コロナウイルスの影響から、納期が少し遅れているアイテムもあり、まだまだシーズン半ばといった入荷状況ですので、今後の展開も楽しみにしていてください。


2020-21AW Collection