第一回
2020春夏コレクションについて
2019年12月01日

作り手の思想にフォーカスを当て、クリエーションの裏側にせまるデザイナーインタビュー企画。

今回特集するのは今年で設立22年を迎えたRIPVANWINKLE。

本物を追求するブレない姿勢とものづくりで、多くの支持を集めています。

第1回の今回はその最新コレクションについて伺いました。

大野 雅央

1997年、大野雅央氏が「リップヴァンウィンクル」を設立。

日々変化していく時代の中で、伝統と新しさを融合させたクラシックとコンテンポラリー、落ち着きとスタイリッシュさを調和させることをブランドのフィロソフィーとし、その時の気分や発想を重視して展開される作品は、素材を吟味し、カッティングにこだわり、優れたクラフトマンシップにのみ生み出せる本物だけを作り続けています。

 


 

.LOGY KYOTOのバイヤー。主にRIPVANWINKLE、beruf baggageなどのバイイングを担当。

ANNASTESIA NAGOYAを拠点に販売員として店頭に立つ傍ら、メディア編集者として活動している。

 


 

"今回のコレクションでは、これまでのRIPVANWINKLEの得意とするスポーティなテイストに加えてワークテイストを取り入れています。"

今年8月に行われたRIPVANWINKLEの2020春夏コレクション。

代官山にあるオフィスで行われた展示会では、大きな壁面に投影されたルックのスライドが、来シーズンのイメージを伝える迫力のある演出が出迎える。

そんな演出を楽しみながら新作のチェックとともに、来シーズンについてデザイナー、大野氏にインタビューを敢行。

2020SSシーズンはどんなコレクションなのか、語っていただきました。

今回のインタビュアーはRIPVANWINKLEのバイイングを長く担当している保田。

---まず、今回の春夏コレクションについてお聞かせください。

今回のコレクションに関してはこれまでのRIPVANWINKLEの得意とするミリタリーやスポーツというテイストに加えてワークテイストを取り入れています。

例えば、このエプロンだったりとかが代表的なアイテムなんですが、従来のRIPVANWINKLEで表現しているアイテムにこういった要素を新たにミックスさせて展開しています。

毎回コレクションごとに決まったテーマを設けて展開はしていないんですが、今シーズンに関してはそういった隠れテーマみたいなものを取り入れて製作しています。

今期取り入れたというワークテイストを感じさせるフレキシブルな使い方ができるエプロン型BAGであるTACTICAL APRON。

定番のスポーツテイストを取り入れたスタイル提案。
軽快かつアクティブなスタイルにリラックスした要素を組み込んだアイテムも目立っていた。

前述のスポーツテイストとともにブランドの基盤となるミリタリーのアイテムも新しい解釈を加えてリリース。
継続して取り組んでいるミックススタイルも意外性のある新鮮な組み合わせで打ち出している。

---今回のコレクションで新しく提案しているものはどんなことですか?

新しい提案としては、エプロンだったりベストだったりといったワークのテイストを取り入れたアイテムですね。

それと、今回のコレクションでチャレンジしたものとしては、RIPVANWINKLEの解釈するビッグシルエットのアイテムも新しく製作しています。

これまで提案してきたシルエットやテイストに加えてもらってもしっくりハマっているというか、従来のテイストに加えて新しい提案をしている部分です。

そういう従来のRIPVANWINKLEのイメージではないところからも、新しさを感じていただけるかなと思います。

---おっしゃられる通り、サイズ感の部分ではゆとりを持たせたアイテムを求められる方が多い気がします。

パンツは相変わらず細く作ってあるんですが、トップスやアウターのサイズ感は意識していつもより少しゆとりがあるように作りました。

Aラインを作るようなシルエットのアイテムを展開しているのもその流れからというのもありますね。

サイズ感については時代の流れもありますが、サイズ感も1サイズアップで選ばれる方も多くなっている中で、例えばトルネードのTシャツなんかは、これまでよりはサイジングも少し大きく設定していたりします。

ただ、あまり大きくしすぎても、というところがあるので、そこはこれまで提案してきたこととのバランスを見て、お客様が着られる範囲内で提案しています。

今期取り組んだというビッグシルエットのアイテム。
ただ単にトレンドを追ったのではなく、あくまでもRIPVANWINKLE流の提案。

---今回のコレクションで新しく製作したアイテムはどんなものですか?

BJテック※1のジャケットやコートはあたらしく製作しました。

これまでもBJテック自体は使っていましたし、ブルゾンなどは製作してきましたが、こういうラフなイメージのジャケットやコートは初めて製作しました。

BJテック自体もここ何年かは使ってなかったのですが、お客様からの要望も多くいただいていましたし、自分自身も昨シーズンの秋冬からコレクションに再登場させています。

ただ、単純に同じものを作るのではなく、19-20AWから撥水素材テフロン加工のものを使っていて、悪天候下や気候の変化にも対応可能になりました。

---撥水機能についてはいつから加えられたんですか?

もともと撥水機能は生地につけたいと考えていたんですが、BJテックは製品染めで二次加工的に撥水機能をつけても取れてしまうので、なかなか実現が難しかったんです。

19-20AWシーズンから撥水機能を加えるテフロン加工を施し、RIPVANWINKLEが目指した悪天候にも対応できる素材が誕生したため、20SSではBJテックを使ったアイテムの型数を増やして展開しています。

マウンテンパーカーにパラシュートパンツを合わせるみたいなスタイルは自分も変わらず続けているスタイルですし、自分が本当にやりたいことを実現するためには外せない素材という思いがあったので、より良いもの、納得できるものを使っています。

※1 : BJテックとは、ファブリック会社小松精練(現在は小松マテーレへ社名変更)開発の素材で、通常染まらないポリエステルナイロン素材を高圧で製品染めする特殊加工素材(BJは、The BRAIN of JAPAN の意味)

敢えて染まらないものを高度な技術で染め上げることで独特の表情をもたらす素材。

RIPVANWINKLEはこの素材に撥水素材テフロン加工を施し、悪天候下や気候の変化にも対応可能な素材を使用している。

大野氏も気に入っているというBJテックを使った新作。
定番の型に加えて、今期はラフなジャケットやコートも新しく仲間入り。

---今回のコレクションで復刻したもの、またはアップデートしたアイテムはありますか?

クルーネックのカットソーとカーディガン、あとはパンツもあります。

カーディガンは2~3シーズン前に展開していたもので、カラーは新しくしていますが糸とゲージは当時のまま復刻しています。

パンツは18SSに展開されたものをベースに、新しくプレステージフレンチテリー素材でアップデートしていて、カットソーはここ数年なかった「SOLID」という名のついたモデルを久しぶりに登場させました。

---復刻やアップデートのタイミングはなにか決まり事があるんですか?

何年かに一回はこういう風に昔のモデルを復刻させたり、アップデートさせたりしています。

直営店の反応で、お客様から求めてられているという感覚もありますし、今の自分たちの気分的にこういうアイテムがあった方がいいなっていうところでの組み込みですね。

糸、ゲージは変えずに復刻した独特のカッティングのカーディガン。
当時展開がなかった"NASU"カラーを新色に加え再登場。

ここ数年なかった「SOLID」という名のついたカットソー。
久しぶりとなる今回、SMOKE GRAYとKHAKI、BLACKで展開されている。

新しくプレステージフレンチテリー素材で展開されたCROSS JERSEY PANTS。
裏毛の中でも最もハイゲージで編み上げた最高級のコンパクト裏毛は、春夏に適した快適なはき心地。

---今回のコレクションで個人的に気に入っている、おすすめしたいアイテムはありますか?

僕自身もここ何シーズンかは特に好んで着用しているんですが、レザーアイテム全般はおすすめしたいですね。

自分自身も、RIPVANWINKLEのスタートからレザーアイテムには力を入れて展開しているということもありますし、もう一度原点に立ち返るまではいかないですけど、何かしらレザーのアイテムを身につけていることは多いです。

意識してないようで、無意識に選んでいる、みたいな、着てなくてもレザーの匂いがするアイテムは結構多いですね。

それと、昨今のファッションシーンにおいてレザーウェアの存在感が少し薄くなってきているのかな、というのも感じているので。

時間がかかるっていうのも理由の一つなんですが、コレクション製作をスタートするときに一番最初に企画するのもレザーだったりとかします。

ブランドとしても自分自身も、それくらいレザーに対するこだわりがあるので、ぜひおすすめしたいですね。

プレコレクションとして先に入荷しているパンツ。
気概のある男臭さと色気を感じさせるブランドの定番アイテム。

大野氏がおすすめだと語るレザーアイテム。
こだわりが詰まった珠玉の作品。

大野氏と20SSコレクション

 


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