H.R 6 インタビュー
H.R 6に込めた理念と哲学
2020年01月14日

作り手の思想にフォーカスを当て、クリエーションの裏側にせまるデザイナーインタビュー企画。

今回お送りするのはDEVOAのデザイナー西田氏が立ち上げた新ブランド、H.R 6について。

"プライベートな空間において、快適でリラックスした時間を過ごすため"に作られた上質な作品は、根本的な哲学はDEVOAと変わりなく、

全く異なるコンセプトで製作されています。

今回はH.R 6の製作の裏側についてお聞きしました。



西田 大介

国内外のコアなファッションフリークから支持を集めるDEVOAのデザイナー。

2020年、DEVOAで培った経験と知識を活かし、ライフスタイルを提案する新ブランド、H.R 6を立ち上げる。

 


 

ANNASTESIA NAGOYAを拠点に販売員として店頭に立つ傍ら、FAS-GROUP MEDIA編集者として活動している。

舞台や広告カメラマンの経験を経て2019年3月に入社した専属フォトグラファー。

 


 

"創作の哲学はDEVOAと同じですが、コンセプトは全く異なる考え方で製作しています。"

---H.R 6をスタートさせるに至った経緯を教えてください。

元々DEVOAと並行してルームウェアやライフスタイルを提案するものをコンセプトを変えて制作するという考えを持っていました。

しかし、私が考えるルームウェアは耐久性や着心地など、着用に関わる様々な要素をより加味しないといけない。

ポリエステル等の化学繊維を使ってストレッチ性や耐久性を持たせた生地も含めて色々と選択肢を持たないといけないんですが、私が考えた事は出来るだけ天然繊維で製作する事でした。

素材開発を進めていく中で、私の思惑に一致した素材が開発できた事と、ルームウェアとして提案する上で必要な心地良い着用感、洗濯試験や乾燥試験を重ね、耐久性の面で納得できるものが出来上がり、新しいブランドとしてご提案する事になりました。

---ブランドの構想はいつ頃から考えておられたのですか?

構想自体は5年ほど前から練っていました。

しかし、私の考えと合致する適切な生地がなかったので、実現には至っていませんでした。

生地は糸を紡績するところからスタートさせて、染色、加工を含めて、生地だけの製作期間で1年以上かかりました。

パターンや縫製の仕様も試行錯誤を繰り返しながら製作していきました。

「良い作品を作る」という強い意志を継続しなければ形には中々出来ませんし、不変的な商品はとても難しい事を再認識できたという点でも、私自身、有意義な経験でありとても学びとなりました。

構想5年。歳月を重ね、試行錯誤を繰り返しながら納得できるものを追求してきたと語る西田氏。

---DEVOAとH.R 6の関係性についてはどういうものになるのでしょうか?

コンセプトと商品に対してフォーカスしている部分が違うので、関係性については無いに等しいですが、縫製処理や生地開発などに関しては同等の 考えと品質で制作しております。

パターンにおいてもDEVOAとは全く異なる考え方で製作しています。

これはルームウェアという「プライベート空間での生活用品」というのが大きな理由です。

例えば着心地を考慮したサイズ感、パターンは当然として、ポケットの袋布や細部のディテールについても普段着とルームウェアでは求められるものが全く異なるので、そういった点を考慮しています。

デザインやパターン、アイテム構成はクラシックであり上質さがよりわかりやすい商品制作を目指します。

デザインやパターン、アイテム構成はベーシックに。シンプルなだけに上質さがより際立っている。

----以前から展開されている[stague one]との違いはどこにありますか?

[stague one]は根本的な考え方としては[H.R 6]は近い考え方で製作していたので、今後[stague one]は[H.R 6]に吸収されるような形で統合されていくことになります。

[stague one]でも展開していたルームシューズや靴下などはH.R 6の方でまた新しいものや提案をしていきたいと考えています。

"過ごしやすいか、心地良いか"これが創作の原点にある。

---西田さん自身は部屋着というものをどう捉えて製作されましたか?

やはり単純に過ごしやすいかどうかという一点です。

外出先へのスタイリングと同じように部屋着にもそれぞれのスタイルがあると思います。全ての方へ合うとは思いませんが単純に過ごし易くリラックスした時間に寄り添う商品であれば嬉しいです。

私としてはそれを体現するのがこういったカジュアルな形だったので、作品もそれに合わせてデザインしています。

ルームウェアとして提案しているが、簡単な外出にも対応できる細やかな気配りが散りばめられている。

パンツにはポケットは完備。中はメッシュになっており、機能的側面も兼ね備える。

---軽い外出ならルームウェアに見えないような仕様が見受けられます。

H.R 6の作品は外で着用することは考えて製作はしていないのですが、 パンツにポケットが付いていたり、上着は透けないような 仕様となっていたりとルームウェアでは見受けにくい仕様にしています。

---ウィメンズも展開された意図はどこにありますか?

すごくシンプルな考え方なんですが、H.R 6の作品に触れてこれを着てみたいという事に対して性別を絞って提案する事はしたくないと考えていたからです。

サイズ展開もメンズ同様に4サイズ展開で製作しているのも同じ理由です。

年齢や性別は関係なく、本当に上質なものに対して興味を持っている方々に手にとっていただきたいと思います。

性別関係なく楽しめるのもH.R 6の特徴の一つ。カラー、サイズともに豊富な展開も魅力だ。

---今後はコラボレーション製作もしていくとのことですが?

例えばSTORIOとのダブルネームのペンケースで使っている曲げ木の技術もそうですが、 今後様々な作品を製作していく上で、素材や加工技術の面で自分の知識が及ばない部分が沢山あり、私の方は自分ができることに尽力させてもらって、 作品制作の技術を借りる所はいろんな職人様の力を借りて、一つのプロダクトを完成させていくという、DEVOAとは違ったアプローチの仕方で製作していくつもりです。

国内外問わず、最良の素材、最高の技術があればコラボレーションをしたいと考えているそう。

---今後H.R 6はどういった展開を考えておられますか?

今後も作品展開で広がりを見せていきたいと考えています。

人体に対してより良い影響のある素材開発を含め、ベッドリネンや 単純なスウェット等も独自の考えの元、制作できればと考えています。

ただ、あまり多くの作品を展開するつもりはないので、私たちが納得して提案できるものを厳選しゆっくり制作していきたいと考えています。

生地開発についても現状に満足するのではなく、今後もより良いものを目指して研究を重ねていきますし、自分の考えに賛同してくれる人、協力してくれる人たちと、時間をかけて上質なものを製作していきたいですね。

H.R 6は他とどう違うのか、H.R 6にしかできないことはなんなのか。

そういうものを説得力のある形で提示できるように努力を重ねていきます。